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ピーター・ヨネナガ社長インタビュー
欧米の恐ろしい罠から情報リテラシーだけが若者を救える インタビュー形式による「情報リテラシーとは?」①

ピーター・ヨネナガ社長:どうぞよろしくお願いします。

━━ヨネナガさん、こちらこそよろしくお願いします。では、まず情報リテラシーの話から、いつものくつろいだ感じでお願いします。多くの人は情報リテラシーと言われてもピンと来ないと思います。情報リテラシーとはどういうことなのかを教えてください。情報を活用することなのか、情報を収集することを指しているのか、使いこなすことなのか、それとも。

ピーター・ヨネナガ社長:情報リテラシーというのは簡単に言うと、自分にとって本当に役立つ情報を選び取る力のことです。世の中には無駄な情報が溢れかえっています。まずはその雑音やノイズをどうやって減らすか。次に、正しい情報というのが来たら素早く捕まえる能力。この2つです。

━━まずノイズを減らしてからでないと価値のある情報は得られないということですね?

ピーター・ヨネナガ社長:1995年にウィンドウズ95が発売されました。この頃から今までの間に日本人を取り巻く情報の量は総務省の統計では、少なくとも400倍~600倍になっています。それに対して平均的な日本人の情報所有量というのは4倍にしかなっていないのです。全ての情報を使いこなすことは、そもそも無理な話というのが分かります。

━━情報との距離感の取り方が大切ということですか?

ピーター・ヨネナガ社長:特に現在の金融資本主義が隆盛になってから、土日も世界は動いています。情報を取捨選択する一方で、例えば選挙結果などは土日もしっかり掴まないと月曜日の朝には対応できなくなっています。土日はゆっくり休んでいればいいなどと思っていては駄目というわけです。

━━ヨネナガさんは元々アメリカの軍人だったわけですが、軍人にとっての情報リテラシーと、学生や企業のオーナーの方とかにとっての情報リテラシーというのは何が違いますか?

ピーター・ヨネナガ社長:私が今この情報リテラシーという分野を専門にしていられるのは20代の時、米軍内でやっていた経験があるからです。今でこそパソコンが中心になっていますが、当時はまだ、アメリカ領事館・大使館と国務省との正式なやりとりは新聞(公式情報)や電報(非公式情報)でした。それを毎日読まないとどんどん溜まっていきます。これを捌く力という能力を身に付けました。まずどこを読めばいいのか、知らず知らずのうちに身に付いたのでしょう。

━━いわゆる流し読みとは違うのですか?

ピーター・ヨネナガ社長:読み方としては、沢山の生のデータがあると人は全部を読み込もうとしてしまいます。ところが、そんなことをしていると間違いなく日が暮れます。まず必要な情報とそうでない情報とを短時間に捌(さば)くということから始める必要があります。

━━捌くということを経験したことのない学生には具体的に何から教えますか?

ピーター・ヨネナガ社長:スタッフには最初に2つのことを教えます。まずは「毎日同じメディアを同じ時間帯に見る」ということです。夜9時なら毎夜9時に必ず見ます。これは定点観測です。新聞やテレビだけでもいいですし、インターネットでも構いません。そして次に、情報を比較してみてください。

例えば、「アメリカ大統領選はヒラリー・クリントンが優勢」と多くのマスメディアが報道する中で、逆にあるメディアに「必ずドナルド・トランプが大統領になる」と書いてあったとします。するとそれは特ダネである可能性が高いのです。比較してみて他とは違う情報こそがまずは大切だと教えています。

━━今は社員や大学生に情報リテラシー教育をされていますが、学生に対象をフォーカスしているのはどうしてですか?

ピーター・ヨネナガ社長:第一に就職難という問題があります。国を構成しているのは人ですから、人が育っていかないといけません。日本は少子高齢化で先が真っ暗だと嘆いていますが、実はそうではないと思っています。しっかりと若者を教育していないだけです。今、若者にとって一番欠けている教育こそが情報リテラシーだと思います。

学生はみんな細かいことは良く知っています。ところが広く世界全体を見て、「世の中はこれからどうなっていくと思いますか?」と聞くと黙ってしまう人が多いのも事実です。要らない情報に埋もれてしまうのではなく、いかに必要な情報を得て、その情報から未来がどうなっていくかを自ら考えることです。こうした能力を若いうちに育ててあげたいと思っています。世の中全体が一層多様な社会になっていきます。だからこそこうした教育を今やるべきなんです。

━━学生の反応はどうですか?

ピーター・ヨネナガ社長:始めたばかりの2016年くらいは「どうやったら僕は金持ちになれますか?」というようなことを本気で学生たちが言っていました。その後、そういう質問をする人もいなくなり、「どうやったら起業家になれるのですか?」と聞くようになりました。さらに「大企業に就職したい」などと言い出しました。ところが、最近は大企業の方が危ないのです。

━━今の学生はどんな感じですか?

ピーター・ヨネナガ社長:結局、大人が激しい社会変動の中で、自分のために一生懸命に、生きなくではいけません。そんな中で学生たちは「一体どうすればいいのか?」と判断していません。

━━余裕が無いのですかね?

ピーター・ヨネナガ社長:全く無いです。判断をしないということが、一番、最適な答えになりつつあります。つまり、人と人の間を漂っているということでしょう。

━━それは、せいぜいモラトリアムで、いつかは何らかの判断をせざるをえないですよね。永遠に判断しないというわけにもいかない。

ピーター・ヨネナガ社長:その通りです。ところが、東日本大震災が2011年に起きました。何となく「繋がる」こととか「絆」とか学生が言い始めてもそれで一生食っていけるわけではないのです。「繋がっている」のではなくて、それは「漂っている」だったのでしょう。みんなで手を繋いで「絆」だと言っているだけじゃないかという厳しい思いが率直にあります。

━━軽い気持ちでボランティアに行く学生って実際に多いですか?

ピーター・ヨネナガ社長:ボランティアに行くことが問題なのではなく、そのボランティアというものが社会全体の中でどういう位置付けにあるのかといった視点や発想がなく、「ただちょっと良いことをやった」「繋がった」など、多くの場合がそのように終わってしまっています。

━━自己満足が目的になっているということですね。

ピーター・ヨネナガ社長:自己満足という意味では、札幌や名古屋のような地方の学生はもっと大変です。大人たちは地方で生き残るために自分たちのことで精一杯で、学生のことは最初から投げ出している感があります。東京に行けるぐらいの色々な意味で余裕がある学生はまだいいのですが、そうでない学生はまずは地元に残ります。ところが、地元ではグローバル人材が必要だと言って、学生が海外留学に出て行ってしまうのです。一体、この地域に残った学生たちはどうするのでしょう。

━━ 札幌や名古屋、それから横浜、大阪でもスクールを始められたということですが、東京以外の都市のボトムアップということですか?

ピーター・ヨネナガ社長:もちろんそれは非常に重要です。日本の地方大学は国立大学に一番良い講座があります。そして、私立大学、短大が続きますが、この偏差値の差が激しすぎるのです。ただこの偏差値が低い方の大学の学生の学力が本当に低いのかというと、決してそうではありません。本当に1点差とかで国立大学などに入れなかっただけです。この学生たちに、次のチャンスも与えられません。学生たちの質はすごく良いわけです。結局、駄目なのは大人なんじゃないかと危機感を感じています。

━━その大人に対してはどういうアプローチをされていますか?

ピーター・ヨネナガ社長:例えば、中小企業庁が助成金を出して企業でグローバル人材を育てるプロジェクトがあります。そういう場では「どうやったら海外に行けるだろうか?」と経営者の方たちは考えています。しかし、海外に進出しても現地の外国人を雇わなければいけません。評価制度も変えないといけないでしょう。座っているだけで「いい人だから」と何となく給料を貰えているような典型的な日本のサラリーマンは全部駄目だということになるのです。そういう現実があまり分かってらっしゃらないことが多いです。これは明らかに情報リテラシーの問題です。

今の日本のモノづくりの企業というのはちょうど事業承継の時期を迎えています。60代後半や70代の方々が引退されて、その下の世代の方々に技術力とか支援とか人脈が継承されているかというと、必ずしも継承されていません。これをちゃんと行っていかないといけません。そういうことを大人に対しては訴えています。

━━ご自身の生き方として、日本の国内・国外どっちに目を向けるかというと、基本日本国内にいつも目を向けていますね。

ピーター・ヨネナガ社長:そうです。ベースはあくまで日本国内です。しかし、単に国内向けの教育事業をやっているのと違うのは、私はグローバルな存在でもありたいと思っているということです。日本にいながらも英語や外国語で発言するということを民間で行いながら、その感覚をそのまま国内の教育に役立てています。

先ほど被災地の話が出ましたけれど、インターネットが繋がっている限り、全ての人に対してチャンスは等しくあると思います。一定の情報リテラシーがあって、一定のやる気さえあれば、誰にでもチャンスがあるということです。国内にいながらでも、グローバルに活躍できます。

今の社会は、「組織 対 組織」の時代から、組織の中の「個人」、つまり「組織の中の個人 対 組織の中の個人」の関係が重要になってきています。その点に気付いてもらうのも私たちの教育のもう一つの目標です。今の日本はとにかくやる気がなくなっています。

学生たちに最初の授業で私がまず聞くのは、「これから日本ってどうなりますか?」です。「日本は駄目になります」ってみんな言います。「君らはこれから先、生きて行くのにいいの?」と聞き返すと「そうなのですけど…」と言うわけです。でも全てはそこから始まるのです。

━━日本中が合言葉みたいに「これから日本は駄目になる」と言っていますが、ヨネナガさんはそれを言わない。本当にそう思っていますか?

ピーター・ヨネナガ社長:もちろん本気で思っています。駄目になる国の通貨など買う人はいません。なぜ円高になっているのかを冷静に考えみれば分かることです。少子高齢化が進んでいるくと分かっているのに、円が買われているのです。欧米諸国や中国、インドも含めて他国の景気が悪くなっていく中で、日本という国は、いろんな意味で選ばれています。そして1300兆円の国富を抱えていることからも世界的にみると脅威です。

━━円高が全てではないけれども、ヨネナガさんは日本の国力は悪くはなって行かない大丈夫だと。私も大丈夫じゃないかと思っています。でも若い人たちに聞くとみんな「日本はダメです」と言います。そのギャップは何なのでしょう?私たち大人がダメなのですか?

ピーター・ヨネナガ社長:その世代の方たちには怒られるかもしれませんが、日本では60歳、70歳にならないと大人と見なされません。結局、団塊世代が現役を辞めず、お金も仕事も握っています。沢山のオフィスビルの上の方にいる人たちはその世代の方たちです。日本は国全体としては資産を持っていて、それなりの力を持っていますが、そのウエイトが上の世代にかかっています。要は「引退しましょう」という話なのです。より新しい方向に気持ちを向けてもらえばいいのです。溜まってしまっている人の流動性のなさが問題でしょう。

━━貰うものもらってないから辞められないのですか?

ピーター・ヨネナガ社長:貰っていますよ。すごく貰っています。ただ、今までとは状況が変わるという感覚があまり働いていないのではないかと思っています。団塊世代の方々は、例えばバブルの時は課長から次長ぐらいで、その多くが退職金を多く貰って退職します。トライ&エラーのエラーを経験していない世代だと思います。幸せといったら幸せだったのでしょう。

しかし苦汁を味わっている現在の年収100万、200万の若い人たちがいることには、あまり考えていないようです。「引退する」ということは、「人を立てる」ということだと思います。社会貢献など今やるべきことは他にたくさんあります。企業の中ではない所にです。

━━フリーエージェントいう生き方をする若い人たちと、アメリカで起業されたヨネナガさんとは、そもそも立ち位置が全く違いますが、ああいう20代の感性とか感覚にはアゲインストですか? それとも気持ちよく分かるよという方ですか?

ピーター・ヨネナガ社長:彼らに対しては、「10、20年後に自分が何をやっているかイメージ出来ますか?」ということに尽きると思います。20代で、恐らく家庭も持ってないのなら今は何をやっても別に大丈夫なはずです。ただ、ある段階で自分のやりたいことが20年もすれば見つかるでしょう。その時にその力があるかどうかです。

━━その力というのは?

ピーター・ヨネナガ社長:その力というのは結局は組織だと思います。こういう若者たちがいきなり会社や組織の長になれるかというと、多分無理だと思います。どうしてかと言うと我慢するということを知らないからです。組織に入ると、最初のうちは雑務をさせられて、その過程で様々な人たちに接するわけです。ずっと雑務をさせられている可哀相な人もいます。エゴイスティックなリーダーも大勢います。そうした様々な人に接することが大事なのです。雑務もせず、リーダーでもないと、「自分がリーダーになった時にはこうあるべきだ」という部分が養われずに、急にその力が必要になっても組織を率いることができません。いくらSNSなどで繋がっていても、 横の連帯というのはいつまでも漂っているだけで上昇はしないのです。

実際に欧米では組織の大きなヒエラルキーがあります。ところが、日本やアジアに対しては「欧米はフラットな世界ですよ」と言います。もちろん、プライベートの関係ではフラットに生きていくのはいいと思うのですが、まず自分の価値観を持った上で、特に自分がリーダーになった時に人を使うということが一体どういうことなのかというのを分かった上でだと思うのです。

団塊の世代の方々に対する苦言と同時に、今の若い世代に対する苦言を言うとすれば、半年もすれば組織を辞めてしまう人たちは、要するにストレス耐性がないのです。でもこれからは、特に長期目標というのがキーワードになると思うのですが、長期目標でやって行く時に「我慢できない」からといって、次へ次へと転がって、それで「フリーエージェントです」と言っていればいいっていうものではないでしょう。しっかりと根を下ろしたベースがあることが基本だと思うのです。繰り返しになりますが、私がそういう若い人たちに対して言っていることは、「20年後、30年後に同じことをやっていますか?」ということです。

━━ご自身が今まだやれていないことで、今後やっていきたいことは何ですか?

ピーター・ヨネナガ社長:継続して出来る仕組み作りといいますか、持続可能にやっていきたいです。私が経営するAtlasマンツーマン英会話は、基本的に企業の責任として行なっています。しかも全国に展開して、地方の底力を上げて行くということを期待されています。なので、東京以外の大都市では全部やろうというのが一つの野望です。早ければ来年の春から実施したいと思います。

さらに、私が実はもう1つやりたいなと思っていることは、いわゆる大学や短大で英語科を卒業した人たちが、円高・少子高齢化で大きな打撃を受けています。彼らに対してグローバルという意味での人材教育がされているかといえば、されていません。決して、学問において引けを取らないと思うのです。

グローバルで大切なのは考え方です。そういう所から教育のプログラムを作り、全国に普及したいと思っています。外国と接している人がグローバルが分かるようになるような、こうした形でのグローバルの根幹に、私たちの考える情報リテラシーがあると思っています。

━━尊敬する人は誰ですか?

ピーター・ヨネナガ社長:日本人の場合は明治維新前後に活躍した志士たちもそうですが、外国というものを見て、それに対する衝撃を受けてから全てが始まっていると思うのです。私も7歳からアメリカで暮らし始めて、実際20年以上、国際状況の現実を見て、その衝撃を受けました。そして、引き続き日本をどうしていけばいいのかと考えています。必ずしも明治維新に倣えばいいという話ではないですが。確かにあの時と今の状況というのは近いのではないでしょうか。

━━最後に、今、学生に「最低限、これだけはやれ」というのがありましたらお願いします。

ピーター・ヨネナガ社長:就職が決まって「就職先決まりました」とか言う学生に必ず言うことがあります。それは、何でもいいので、とんでもなく分厚く難しい小説を読みなさいと言っています。分からなくてもいいのでとにかく読んでほしいのです。

━━どうしてですか?

ピーター・ヨネナガ社長:それは普通の日本人の生活をしていれば、一生にその時にしか読むことがないからです。 私の場合は大学生の時にアイン・ランドの「肩をすくめるアトラス」三部作をすべて読みました。弊社の会社名からも分かるように今でも自分のベースになっています。資本主義や民主主義をすごく勉強しました。何でかよくわからないですが勉強しました。

分厚い本で、何となく前から気になる本ってありますよね。何でもいいのですが、分厚い本を一冊読んで、分からなくてもいいのです。とにかく読んだということを座右の銘のようにしておくと、10年後、20年後に振り返ることが必ずあります。多分その本を20代前半に手に取った理由があるのです。それは20年後の自分が、あるいは30年40年後の自分が、呼びかけているのです。必ずそういう本を読んだ方がいいと思います。

━━僕も学生の時に何か読みました。カール・マルクスも読みました。何だかよく分かんなかったですけど。どうもありがとうございました。

インタビューを終えて
私が初めてヨネナガさんにお会いしたのは2002年から2003年にかけてでした。その頃、ヨネナガさんは札幌市内の端っこの小さな教室で英会話を教えていました。当時、ヨネナガさんが主宰されていた英語のみの会合に参加させていただいたのがご縁でした。それから間もなくして全国的に展開するとのお知らせを頂きました。

以来、何度もお会いするうちに、互いを結びつけるキーワードは、今の日本を支配する閉塞感だと思うようになりました。やがてヨネナガさんは教育に力点を置き、私は新聞記者という分野に切り込み始めました。ピーターさんは現在45歳ですが、15年間の当時のままでお若く見え、元気に過ごされているように感じました。

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