語学スクールは、教育産業ではなく、グローバル化教育サービス業であるというヨネナガの発想が表現されているのが、全国にあるランゲージスペース(LS)である。インテリアのイメージは柔らかいグリーンを基調にした落ち着いた雰囲気で統一され、受講生たちに心地よい環境で、インストラクターとのマンツーマンによるレッスンを楽しんでもらえるように演出されている。

専門のインテリアコーディネーター顔負けのノウハウを蓄積してきているのも長年管理してきたからである。

美しさと機能性を。現在のオフィス空間が求める所機能をいかにバランス良くまとめられるか。こうした観点に立てば、Atlasのノウハウは現在の日本のオフィスデザイン会社でも有数の実力と認められている。

「ハリウッド、韓流、華流などクロスカルチャーの交流拠点を作りたいと考えています。どの文化にも書籍や写真集、そして専門チャンネルが観られるのです。異文化とのコミュニケーション手段は、当然言葉対言葉ということになりますから、知らず知らずコミュニケーション能力も高まっていくようなことになります」

一種のテーマパークにも似た構想だが、Atlasの多角化はある意味で、この総合エンターテイメント企業の実現に向けての布石といえるかもしれない。

「単なる言葉だけではなく、すべてにわたって、文化というものに総合的に取り組んでいきたいと考えています。将来的には、語学スクールではないかもしれません」

Atlasはギリシャ神話で「地球を双肩に担ぐ大力無双の巨人」「世界地図」を意味する言葉だという。Atlasはその名の通り語学スクールの「世界地図」になる企業なのだ。私の中では、そんな予感が次第に揺るがぬ確信に変わっていった。